パリ訪問時にはリュクサンブール周辺で過ごす僕にとって、27番バスはとても重宝する路線です。リュクサンブール〜ルーヴル〜オペラ〜サン・ラザール間の移動に使うのがメインですが、13区の中華街に行く際にも時々この路線を使います。

 13区の中華街周辺は似たような高層マンションが立ち並ぶエリアで、これといって目立った目標物もないことから、かつては地図を片手に道を確かめながらの街歩きでした。
 04年初冬に久しぶりにこの界隈を訪れた際、持っている地図をあえて見ずに昔の記憶で中華街に向かったところ、一瞬自分がどこにいるのか分からなくなりました。つまりちょっと迷ってしまったんです。

 そんな折に出くわしたのが、ジャン・コリー通りの壁地図です。11階建てのマンション壁面をフルに使った大地図。このマンションのある現在地は赤線がクロスするところです。

 大地図ながら道名表記やメトロ駅名などディテールもちゃんとしてるんですが、下から見上げていると、まずはその大きさに圧倒され、しばらくして首が疲れてしまいます。それにしてもマンションの壁に大地図を作ってしまうその発想にヤラレました。

 13区はこういった高層マンションが林立しているかと思いきや、切妻屋根の一軒家が並んでいる通りや石切り場があった時代の名残など、まだまだパリのかつての風景が残っています。('04.12.1 Paris/Rue Jean Collyで撮影)