パリ市内の移動手段としてはメトロ・バスを使うのが一般的でしょう。市内には297ものメトロの駅と55のバス路線が隅々までめぐっています。

 パリ市のメトロやバスは全てRATP(パリ交通公団)によって運営されていて、運賃や切符は地上地下とも共通なので便利です。ここでは旅行で使うことの多い切符の紹介をしたいと思います。
券の種類

1回券・カルネ


1日券


定期券


パリ・ヴィジット


カルト・ミュゼ・モニュモン



料金表
1回券
1.40
カルネ
10.50

券面(現在のもの)
 個人でもグループでも使いやすいものです。
 ・1回券はティケ(Ticket)
 ・1回券の10枚綴りがカルネ(Carnet)です。
 使用期限がないので使い残しても次にパリに来た時に使えるので安心。

  2003年より紫色の新券となりました。それまではパリ交通公団(RATP)カラーの薄緑色のもの。旧券はメトロ駅窓口で紫色の新券に交換してくれます。

 メトロ・バスともに距離を問わず1回の乗車に1枚が必要。メトロは乗り換えも自由ですし、パリ市内であれば近郊高速線(RER)にも乗れます。

旧券
 カルネは駅窓口だけでなく街のタバ(TABAC:タバコ売場)でも買えます。タバはカフェなどに併設してある場合もありますので、赤い菱形の看板が目印となるでしょう。(右写真)

 メトロの切符を売っているタバには、切符をデザインの看板が出ています(右写真黄の○)。看板には薄緑色の旧券デザインのものがまだたくさん残っているのでご注意下さい。

 またタバではテレホンカードも取り扱っているので、喫煙者でなくてもお世話になることがあるかもしれませんね。

 検察が来た時には提示が必要なので目的地の出口までしっかり携行しましょう。提示できないと最低でも30ユーロの罰金! 無賃乗車とみなされてしまいます。



料金表
Zone 1-2
5.30
Zone 1-4
8.80

 モビリス(Mobilis)は指定したZone内(Zone制の詳細はこちら)のメトロ・バス・近郊高速線(RER)が1日乗り放題のパスです。

 Zone1-2からZone1-8まで7種類あり、(料金一覧に戻る)
 1日乗り放題のパスで、モビリス(Mobilis)といいます。
 モビリスの料金はZone1-2からZone1-8まで7種類あります。(Zone制の詳細はこちら)(料金一覧に戻る)


定期券(Carte Orange)
 主にパリのみ滞在して、メトロ・バスを多用する方にお勧めです。
1週間券をCoupon Hebdomadaire(クーポン・エブドマデール)、1ヶ月券をCoupon Mensuel(クーポン・マンスエル)と言います。カルネと比べると1週間券で15回以上利用するとオトク。市内を中心に行動するなら一番安いゾーン1−2のもの(一覧にある料金)になります。
 この定期券Carte Orange(カルト・オランジュ)を購入する際にちょっと注意があります。

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
(1)1週間券は月曜〜日曜の間有効、1ヶ月券は月初〜月末の1ヶ月間有効

 1週間券は水曜までに買ったものはその週の日曜まで有効。金曜以降に買ったものは次の週の月曜から日曜まで有効です。木曜日には1週間券は販売していません。
 例えば右のカレンダーで、1日に買ったら6日まで有効。9日に買ったら13日まで有効。18日に買ったら21日から27日まで有効です。始まりは月曜からということをお忘れなく。

 1ヶ月券は月単位ですからご注意を! パリ滞在が月初から1ヶ月程の時は購入するのもいいでしょう。20日から翌月分の1ヶ月券を購入できます。

(2)顔写真が必要 (3×3センチぐらいのもの)
 切符売り場の近くにはたいてい3分写真機があります。25フランで4コマ撮れます。日本の全く同じ。ただしお札が使えず硬貨のみでお釣りが出ません。小銭を用意しておきましょう。

(3)名前を書く
 カルト・オランジュの券面に顔写真を貼ったら、"Nom"には苗字"Prenom"には名前を書いてください。ここまでできたら付いているシールでラミネートして完成です。

(4)カルト・オランジュの右下にあるアルファベット1文字と6桁の数字をクーポンに書き込む
 カルト・オランジュを買うと同時に自動改札を通る時に使うクーポンをもらいます。カルネの切符に似ていますね。このクーポンにカルト・オランジュの右下にあるアルファベット1文字と6桁の数字を書き込んでから使い始めます。(右のように書きます)


 めったにありませんが、検札が来た時にこれを書いていないと200フランの罰金の対象になってしまいますのでお忘れなく!



 グレーの定期入れとそれに収まるParis Plan de Poche(左写真)をもらうと便利なのでお忘れなく! 乗り換えなどを調べるのに重宝します。

 いろいろとやる事がありますが、このカルト・オランジュがあればパリ滞在中の交通費は全部まかなえます。パリ通への第1歩はカルト・オランジュから始まりますよ! (料金一覧に戻る)
パリ・ヴィジット(Paris Visite)

 パリ・ヴィジットは1・2・3・5日券に応じてメトロやバスなどが乗り放題になるだけでなく、様々な特典が受けられます。
 各有効期限の券ともゾーン1−3、1−5、1−8と3種類ずつありますが、上の料金表ではパリ近辺を中心に行動するとしてゾーン1−3のものを掲載しました。(ゾーンマップはここをクリック


 まず乗り放題になる主なものを1日券(Mobilis)のおさらいも兼ねてもう一度整理してみます。
 メトロ・RER・バス・深夜バス(Noctambus)・トラム
 フランス国鉄(SNCF)のパリ郊外路線
 (ゾーンマップの「Reseau Banlieue SNCF」です)

 また4歳から11歳は半額で、カルト・オランジュのように写真の必要もありません。売ってる場所はメトロ・RERの駅はもちろん、空港やシャンゼリゼ通りのツーリストオフィス、そしてカルネと同じように切符の看板の出ているTABACでも販売しています。

 気になる特典ですが次のようなものです。(ゾーン1−3のParis Visiteを購入した場合)
 ・モンパルナスタワーの入場料金(大人8ユーロ)が35%割引(5.2ユーロ)
 ・Canauxrama(サン・マルタン運河ツアー:大人13ユーロ)が1人分の料金で2人乗船可
   (ただし週末午後と祝日を除く)
 ・ラ=デファンス(新凱旋門)の展望台への入場券を1枚買うと2枚目が無料
 ・ギャルリー=ラファイエットでの買い物が10%OFF
   (ただし食料品・書籍・CDと値札に赤のマークの付いている商品は除く)

 この他にもたくさん特典があります。詳しくは購入時にもらえるパンフレット(英・仏・独語表記)を参照してください。

 利用例ですが、パリ滞在が5日間で、シャルル=ド=ゴール空港に着いた時にゾーン1−5のパリ・ヴィジット5日間券(300フラン)を買ったとします(CDG空港はゾーン5に属します)。
 空港からパリ市内のメトロ往復料金は98フラン。滞在中ヴェルサイユ宮殿に行くとしたら交通費は往復で30フラン(ゾーン4)。ラ=デファンスの往復交通費23フラン(ゾーン3)と入場10フラン引き。モンパルナスタワーの展望台の料金48フランがフリー。ここまでで209フラン分。

 これに5日間のメトロ・バスなどの交通費も出るし、ギャルリー=ラファイエットで10%OFFを受けられるなら、モトは取れるでしょう。
 滞在日数や訪問予定地などから上手に使いこなしてください。 (料金一覧に戻る)
カルト・ミュゼ(Carte Musees et Monuments)
 このパスではメトロなどを利用する事はできませんが、パリに来たからには美術館めぐりは外せない!という方にお勧めの1枚です。パリ周辺にある約70もの美術館・博物館・モニュメントのフリーパスなのです。

 エントリーされている主なスポットは
<美術館>
 ルーヴル美術館・オルセー美術館・オランジュリー美術館・ポンピドゥーセンター
 ピカソ美術館・ドゥラクロワ美術館・ギメ美術館・ロダン美術館・バルザック美術館 など
<博物館>
 ラ=ヴィレット・郵便博物館・軍事博物館(ナポレオンの墓も)・海洋博物館 など
<モニュメント>
 凱旋門・パンテオン・サント=チャペル・ノートル=ダム・コンシェルジュリー など
<郊外>
 ヴェルサイユ宮殿・フォンテーヌブロー城・ランブイエ城・サン=ドニ大聖堂 など


 なかなかのラインナップだと思います。詳しくは購入時にもらえるパンフレットで確かめてください。このパスを持っていれば美術館などでチケットを買うのに並ぶ事もないし、時間も料金も節約できます。1週間定期やパリ・ヴィジットなどと組み合わせて使うとその威力を発揮するでしょう!

 カルト・ミュゼは次の場所で購入できます。
 ・エントリーされている美術館・博物館のチケット売り場
 ・メトロ主要駅(乗換えが3路線以上ある駅と考えてください)
 ・国鉄(SNCF)駅のオフィス(モンパルナス駅・北駅・東駅・リヨン駅・オーステルリッツ駅)
 ・シャンゼリゼのツーリストオフィス
 ・FNACのチケットカウンター(シャンゼリゼに1店あります)   (料金一覧に戻る)