パリの各区役所や学校などの正面入口に掲げられているパリ市の紋章。そのデザインはセーヌ川に浮かぶ帆掛け舟です。パリ市5区役所の玄関上にある紋章には16世紀から続くラテン語のパリ市の標語も書かれています。

↑5区役所の全景。正面入口にあるまるいのがパリ市紋章

パリ市標語:たゆたえども沈まず
Fluctuat nec mergitur(フルクトゥアット・ネック・メルギトゥール)

 パリを取り囲む地方をIle de France(イル・ドゥ・フランス:フランスの島)と呼ぶのは、この地方が川によって囲まれた島のような地形をしているからです。水運の中心地だったパリでは水上商人組合が一番勢力があって、この組合の代表が事実上のパリ市長でした。

 どんなに強い風が吹いても揺れるだけで沈みはしない、という意味の標語はかつての船乗りたちの心意気を表したものでしょう。そう、パリは沈むことなどないのです。


 上:'01.7.15 Paris/Place du Pantheon(Mairie du 5e Arr.)
 中:'01.7.13 Paris/Place Gambetta(Mairie du 20e Arr.)
 下:'01.7.12 Paris/Quai de Marche Neuf(Prefecture de Police)で撮影


↑20区役所の正面玄関上に掲げられた紋章

↑パトカーのボンネットにも紋章が!
(バックミラーに写るよう、POLICEは鏡文字になってます)