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コントルスカルプ広場より最初の十字路を右に曲がってちょっと寄り道。ポ・ドゥ・フェール通り(Rue du Pot de Fer)に入ってみましょう。ポ・ドゥ・フェール通り=鉄瓶通りという一風変わった名前です。
短い通りにもかかわらず10件程のレストランが並び、店の前には思い思いにテーブルが出されて、5〜8月の日の長い時期には青空の下でのディナーなんてのも楽しめます。
5番地の「桃花源茶房」には何十種類もの中国茶を取り扱っていて、中で飲むこともできます。店頭には雑誌の紹介記事がズラリ。人気の高さを伺えますね。
そしてこの通りにもしゃれを効かせた名前のお店が! 13番地にあるレストラン、ポ・ドゥ・テール「Le Pot de Terre」(=土瓶)なんですが、「鉄瓶通りにあるレストラン土瓶」なんて体裁。いやはや、脱帽です。
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レストラン「Le Pot de Terre」の少し先でポ・ドゥ・フェール通りはトゥルヌフォール通り(Rue Tournefort)と交差していますが、道名表示板に目をやると、直接建物の壁に彫られた別の通りの名前があります。
「Rue Neuve ?? Genevieve」(??のところはつぶれている) どこかで聞いたことが…
バルザックの代表的な小説「ゴリオ爺さん」の冒頭の 『ヴォケー夫人(中略)の下宿はカルティエ・ラタンとサン・マルソー地区の間にあるヌーヴ・サント・ジュヌヴィエーヴ通りに位置している』 というくだりにある、主人公ラスティニャックの下宿のある、まさにそのヌーヴ・サント・ジュヌヴィエーヴ通りです。
この小説は1834〜5年に書かれましたから、旧名「ヌーヴ・サント・ジュヌヴィエーヴ通り」の表示は少なくともその当時からずっとここにあるんですね。19世紀にタイムスリップです。 まだ他にこういう所がないかと探してみると、トゥルヌフォール通りのもう1本西に並行して走るローモン通り(Rue Lhomond)にも「Rue des Postes」と旧名表示がありました。
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「Rue Neuve St Genevieve」の表示
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「Rue des Postes」の表示
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余談ですが、ポ・ドゥ・フェール通りbis15番地にあるアパルトマンの1室を借りてパリに滞在した事があります。料理、掃除に洗濯の毎日。よろい戸を開けて迎える新鮮な朝は、いい思い出となっています。
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