"Histoire de Paris" フィリップ・オーギュストの壁
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1190年、3度目の十字軍遠征に先立ちフィリップ・オーギュスト(1165-1223)は市民に町の安全のため約5キロにわたる城壁の建設を命じた。
この城壁は1210年頃に完成したが、高さは10m、上部にはのぞき穴のついた見回り用の通路が巡らされていた。 全体で10程の門が設置され、西には城壁防御のため13世紀初頭に建設されたルーヴルの要塞、東はグレーヴ広場、北はレ・アール、そして南はサント・ジュヌヴィエーヴ町を各境界として250ヘクタールの都市を形成していた。
それ以後はたとえ王がこの都市内に常住していなくても、宮殿、財貨及び過去の文書類はここに固定して保管されるようになった。
この城壁建設はパリの3地区―宗教・行政・司法の中心「シテ」、セーヌ右岸のいくつかの門の周りに位置する経済の軸「ヴィル」、そしてセーヌ左岸に生まれかけた「ユニヴェルシテ」―を初めて1つにまとめたのであった。
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