スタート地点のメトロ12番線・アベッス(Abbesses)駅はホームから丘の中腹にある出口までの30mの標高差。エレベーターを使ってはるか地上を目指さなくてはなりません。でもちょっとお待ちを。ここはひとつ階段を使って上に向かいましょう。今回のコースは階段や坂が盛りだくさんですが足慣らしと思って!

 出口への螺旋階段の壁面は、かつて芸術家たちがつどったモンマルトルにふさわしく、一面絵で飾られています。
 様々な色が交錯するアベッス駅の階段は、これから始まる丘越え散歩の気分を盛り上げてくれる感じがします。

 階段を登り切って地上まできました。このアベッス駅の入口はアール・ヌーヴォーの流れを組むエクトゥール・ギマールの作。メトロがパリに張り巡らされはじめた往時、入口などにギマールの作風がふんだんに取り入れられました。

 今でも「Metropolitain」とメトロの入口に赤いランプとともにアーチ状にかかるギマール風の表示板をパリ随所で見かけますが、屋根付きの入口となるとこことメトロ2番線のポルト・ドーフィーヌ(Porte Dauphine)駅に残すのみです。


 メトロの出口はアベッス広場(Place des Abbesses)はモンマルトルが郊外の村だった頃の中心地。サン・ジェルマン・デ・プレやオペラ界隈とは明らかに違った下町の雰囲気です。

 広場正面のサン・ジャン・ドュ・レヴァンジェリスト教会(ミシュランの地図ではサン・ジャン・ドュ・モンマルトル教会)はなんと世界初の鉄筋コンクリート建築。1904年の完成なので意外と最近ですね。







モンマルトルの丘散策ポイント
(所要時間:約2時間30分)