サン・ジェルマン大通りを隔てたオデオン駅の前には、フランス革命で活躍したダントンの像があります。このダントンについてちょっと触れようと思います。

 彼はフランス革命期に政党ジャコバン党の山岳派という派閥に属していました。その山岳派が1792年の国民公会で政権を握ると、同志ロベスピエールは完璧な革命を目指すために独裁をし、反対派を処刑する「恐怖政治」を行います。

 公会内はこれを巡って亀裂が生じ始めたので、ダントンは派閥の結束を考えて恐怖政治を緩和するように進言するのですが、ロベスピエールは自分の政治遂行の弊害になるとしてダントンの声を閉ざしギロチン処刑してしまいます。

 説得力と熱弁で支持されたダントンも、かつての同志ロベスピエールには思いは届かなかったんですね。そのロベスピエールも行き過ぎた政策のために国民公会に逮捕され、やはりギロチン処刑されてしまいます。

 フランス革命。この新しい社会を目指した世界を揺るがす大きな動きは、様々な紆余曲折を経て、ナポレオンの登場で収束を向かえます。
 兵どもが夢のあと。ダントンは今も彼の活動拠点に立ち、フランスを見つめています。






サン・ジェルマン周辺散策ポイント
(所要時間:約2時間)